検診・健康お役立ち情報

毎日ドクタ- 健康かわら版 3月号

 2015年花粉症

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

スギ・ヒノキ花粉の飛散状況
本年のスギ・ヒノキ花粉飛散量は九州や四国を除き昨年より増加します。東海地方では2月中旬から飛散がみられ、2月下旬より飛散量が増加します。昨年の約2倍から2.5倍の飛散量を予測しています。

花粉の飛散に関する特徴
花粉の飛散量は、①風の強い日 ②雨の降った翌日 ③気温が上昇した日に増加します。また1日の中では午前10時から午後4時の時間帯で多く飛散します。

花粉症の症状
花粉症はアレルゲンとなる大気中のスギ・ヒノキ花粉が鼻粘膜から侵入することにより体内の免疫が反応してIgE抗体を産生して感作された状態となります。その後、再びスギ・ヒノキ花粉が体内に侵入すると、このアレルゲンを激しく排出しようとして鼻水くしゃみ、毛細血管の拡張、痒みが発生します。

ここ10年のスギ・ヒノキ花粉の推移
スギ・ヒノキ花粉の平均飛散量を比較しますと、前年の夏から秋の天候に左右され増加や減少を繰り返しながら全体的にはここ10年で約2.5倍になっています。
これは1970年以降に人工植林されたスギ・ヒノキが樹齢30年から40年の成木となり大量の花粉を飛散しているためと考えられています。

日常の花粉症対策
①髪や衣服をはたいて花粉を落としましょう。衣服は玄関の外ではたきましょう。
②ゴ-グルやマスクを利用しましょう。
③洗濯物や布団は影干しにするか、よくはたいて取り込みましょう。
④空気清浄器や加湿器を利用しましょう。
⑤午前10時から午後4時の間は屋外活動を控えましょう。
⑥飲酒により鼻閉が強くなりますので節酒しましょう。

花粉症の治療

市販の坑ヒスタミン剤等を試され、改善しない場合は耳鼻咽喉科、眼科、内科に早目に受診をして相談しましょう。尚、ステロイド剤の筋肉注射は副作用の心配が強いため各学会から注意喚起がされており、現在は行いません。