検診・健康お役立ち情報

毎日ドクタ- 健康かわら版 10月号

―  けがをしない安全な運動をしましょう ―

産業医・スポ-ツ健康指導医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

健康増進を目的とした運動とは
健康増進を目的とした運動は競技スポ-ツとは違って勝敗や記録を追求するものではありません。運動をすること自体に意義があり、勝敗の行方は楽しむ程度のスタンスが理想です。

運動による健康増進効果
ウォ-キングのように歩くという運動は全身の血液循環を良好にして血圧の安定を導きます。また下半身から心臓に還流する静脈血を増大させますので心不全の予防も期待できます。30分ほどのウォ-キングを週3回から始めましょう。ウォ-キングの後で軽めのダンベルを使って数分ほどの筋トレを追加すると、筋肉重量が維持され全身のエネルギ-代謝が活発になります。糖尿病の予防にも効果があります。また日常生活での転倒予防にも骨格筋の維持は大切です。

運動の強度
運動により脈拍(心拍数)は増加します。安全な運動のためには、運動のピ-ク時に脈拍(心拍)が100回/分を超えないようにしましょう。循環器の病気を治療中の方は主治医と相談をして下さい。整形外科の病気を治療中の方は運動のメニュ-を主治医と相談して下さい。

運動前の準備体操やストレッチ 運動後のク-ルダウン体操
1年を通して運動の前には必ず準備体操やストレッチをしましょう。ふくらはぎ、太ももの後面の筋肉は肉離れをおこしやすいので注意しましょう。準備運動は手足から始め順に体幹の筋肉へ移行しましょう。運動前のストレッチは息を吐きながら1箇所につき10秒以内にとどめましょう。10秒以上ストレッチをして筋肉を伸展させ過ぎると筋肉の収縮力が悪くなり運動中に違和感が出現することがあります。運動後はク-ルダウンの軽めの体操をして筋肉をほぐしておきましょう。

運動中の打撲や筋肉痛・肉離れに有効なアイシング
運動中や運動後の筋肉痛に対してアイシングが有効です。基本的な方法は氷水程度の冷たさ(0℃前後)のアイスバックで20分程度患部を冷やしましょう。体表の感覚が少ししびれて鈍くなるくらいが目安です。40分中断したら再び20分アイシングを繰り返しましょう。アイシングにより疼痛の軽減と患部の拡がりを縮小することができます。