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毎日ドクタ- 健康かわら版 9月号
― 酷暑で弱った胃腸を整えましょう ―
毎日ドクタ-理事長 産業医 山田正樹
管理栄養士 糖尿病療養指導士 飛弾恵美子
■酷暑で弱った胃腸
今年は酷暑が続いたため熱中症や、倦怠感を訴える方が大変多くみられました。また、これからは夏の疲労や冷たい飲み物などの影響で胃腸障害を起こす方が増えてきます。食欲がなくなったり、お腹が張ったり、軟便になったり様々な胃腸症状がみられるようになります。冷たい飲み物が急速に胃に流入しますと胃壁の毛細血管は収縮して胃粘膜の血流は低下します。さらには胃酸や胃粘液を分泌する消化管の細胞機能も低下して胃もたれ、膨満感、軟便の原因となります。今回は酷暑で弱った胃腸の機能を改善する食材を紹介します。
■梅干で食欲、消化機能アップ
梅干は条件反射により唾液の分泌を高め胃腸の蠕動運動を活発にします。梅干の主成分のクエン酸は疲労回復作用や殺菌作用があり、疲れた胃腸機能を回復させて食中毒予防効果を発揮します。また、梅干には梅リグナンという成分がふくまれており萎縮性胃炎の原因となるピロリ-菌の活動をおさえる効果(静菌作用)もあります。
■モズク、メカブやオクラで胃粘膜を保護
モズク、メカブに含まれるヌルヌル成分であるフコダインやオクラに含まれるネバネバ成分であるムチンは疲れた胃粘膜を保護して食べ物による刺激を穏やかにします。胃もたれ、膨満感の予防に効果を発揮します。
■キャベツで胃粘膜を修復
キャベツに含まれているビタミンUは炎症をおこした胃粘膜を早く修復する効果があります。ビタミンUは水溶性ビタミンですので、生キャベツや千切りキャベツで摂取するのがおすすめです。
■ヨ-グルトや発酵食品で腸内細菌を調整
ヨ-グルトや発酵食品(味噌、納豆、つけもの、かす漬け等)は腸内善玉菌である乳酸菌やビフィズス菌を調整します。腸内善玉菌が調整されると栄養吸収や水分吸収が良好になり排便も良好になります。
■食べ方にも工夫を
冷たい飲み物はそろそろ控えましょう。食事はよく噛んでゆっくり食べましょう。
ゆっくり時間をかけて食べることにより胃腸の調子が把握でき、消化吸収の負担が減ります。また野菜を先に食べることにより食後の急激な血糖値上昇を穏やかにして糖尿病を予防する効果も現れます。