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毎日ドクター 健康かわら版 1月号
― 血糖値スパイクをおこさない食事を心がけましょう ―
毎日ドクター理事長・産業医
山田 正樹
■血糖値スパイクとは
私達が毎日食べる食事には3大栄養素として糖質、脂質、たんぱく質があります。
食事により摂取された糖質は小腸から吸収され血液中の糖分(血糖)となります。
血糖は膵臓から分泌されるインスリンホルモンにより全身の筋肉細胞に摂りこまれてエネルギーとして燃焼します。空腹時血糖値100㎎/dlは食後1時間で120~130㎎/dlまで上昇して食後2時間で110㎎/dl以下となります。
食事の度にこの穏やかな血糖値の上下がみられます。しかし糖質を多く含んだ食品を大量に摂取したり、早食いをすると食後1時間で血糖値は140㎎/dl以上となります。
膵臓は高血糖状態を是正するために大量のインスリンホルモンを分泌するため今度は一気に血糖値が低下します。この急峻型の血糖値の乱高下を血糖値スパイクと呼んでいます。
■血糖値スパイクが全身に及ぼす影響とは
①高血圧、心筋梗塞、脳梗塞のリスクが高まる
ラットを使った実験では血糖値が短時間に乱高下すると血管内に活性酸素が増加して血管内膜に炎症がおこることが証明されています。血管内膜に炎症が繰り返されますと修復するためにマクロファージが沈着して血管内腔は狭くなり血管壁は硬くなり、徐々に動脈硬化が進行していきます。その結果、高血圧、心筋梗塞、脳梗塞のリスクが高まります。
②がん細胞が増殖するリスクが高まる
血糖値スパイクがおきる度に大量のインスリンホルモンが分泌されます。インスリンホルモンはがん細胞を刺激するため、がん細胞が増殖しやすくなります。
③膵臓が疲労して糖尿病予備軍から糖尿病に進行するリスクが高まる
血糖値スパイクが日常的に繰り返されますと膵臓が疲労してインスリンホルモンの分泌が低下していきます。その結果、血糖はエネルギーとして利用されにくくなり糖尿病予備軍から糖尿病へとすすんでいきます。
■血糖値スパイクを予防しましょう
糖質を多く含む食品のどか食い、早食いを控えましょう。またベジタブルファーストの食べ方で食物繊維を先に摂ると、小腸からの糖質の吸収はゆっくりになります。朝食を抜くと昼食後の糖質吸収は高まりますので必ず朝食は食べましょう。セカンドミール効果と言って朝食で食物繊維の豊富な食品を食べると昼食後の血糖値上昇は穏やかになります。
食後は血糖を燃焼させるために体操、筋トレ、ぶらぶら散歩などがおすすめです。