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毎日ドクタ- 健康かわら版 5月号
― 貯筋運動ってな~に? ―
産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹
■貯筋運動とは
私たちのからだは加齢とともに基礎代謝量が低下して心肺機能や骨格筋機能が低下していきます。(基礎代謝量は18~20歳がピ-クです。) 就職してから体重が10㎏以上増加している人は代謝の低下や栄養過多に伴う肥満傾向によるものです。この状態で50歳代~60歳代を迎え日頃の運動不足が続きますと、からだを支える筋肉量が減少してきます。筋肉細胞は20歳までにその絶対的な細胞数が確定し、その後はトレ-ニングにより1つ1つの筋肉繊維は太くなっていきます。壮年期以降の筋肉量の減少は日々の運動不足により1つ1つの筋肉繊維が細くなり、肩や腕の筋肉が落ち、太ももが細くなっていく状態となります。筋肉量が減少しますと体重や姿勢を支える筋肉のサポ-トが減少しますので腰や膝の関節にかかる負担は増大します。さらに高齢となり心肺機能が低下をしてくると、行動範囲や歩く距離が少なくなり足腰の筋肉量は減少してしまいます。このような状態で何らかの病気により入院を余儀なくされますと、ますます筋肉量が減少をして退院後も自律した生活がおくれなくなる危険があります。
貯筋運動とは
①日頃からよく歩いて50歳代以降も筋肉量を維持する
②筋肉量を維持することにより基礎代謝を上げてメタボを予防する
③転倒しそうになっても姿勢を保つ バランス筋力を維持する
④高齢になってからの入院でも貯筋のおかげで退院後も介助を必要としない
このようなことを目的に各年齢層に見合った身体能力を維持していく運動です。
■貯筋運動の実践
①運動にあたっての注意:高血圧症、心臓疾患、糖尿病、整形外科疾患で治療中の方は主治医とよく相談の上、運動をして下さい。
②筋肉の柔軟性の維持:筋肉の柔軟性を維持するためにストレッチ体操をしましょう。
③有酸素運動:ウォ-キングをしましょう。最初は速足でなくてもかまいません。慣れてきたら10分マイペ-ス、5分速足、10分マイペ-スとリズムをつけてみましょう。現在の生活に20分~30分ほど余分に歩いてみましょう。
④肩関節周囲の貯筋体操:肩幅で立って両手は下げた位置で、両腕の重みを感じながら両肩の前まわし、後ろ回しをしましょう。両腕を肩で持ち上げるイメ-ジです。
⑤股関節周囲の貯筋体操:肩幅で立って両手を腰にあて、両足の付け根で円をかくように体重移動をゆっくりしながら右回り、左回り、8の字回旋 と動かしましょう。
⑥下腹部・腰回りの貯筋体操:肩幅で立って両手は下腹部にあて、ゆっくりと深呼吸をしましょう。息を吐きながら下腹部を引っ込めるようにしましょう。
②③は1日おきに ④⑤⑥は毎日続けましょう! 貯筋と貯金どちらも大切に!!