検診・健康お役立ち情報

毎日ドクタ- 健康かわら版 12月号

― 2015年 感染性胃腸炎(ノロウイルス)対策 ―

毎日ドクタ-理事長 山田正樹

 

感染性胃腸炎(ノロウイルス)の特徴
今冬は感染性胃腸炎(ノロウイルス)の大流行が懸念されています。牡蛎の生食後に嘔吐や水様性の下痢症状がみられたら医療機関を受診しましょう。

ノロウイルスは牡蛎の生食などから経口感染します。体内に侵入したノロウイルスは増殖して小腸で炎症をおこします。潜伏期間は半日から2日で、激しい嘔吐と腹痛、水様性の下痢をおこします。この激しい嘔吐が他の細菌性食中毒とは違う大きな特徴です。原因が細菌ではなくウイルスのため抗生物質は無効です。水分補給と整腸剤による対症療法が基本で、脱水症状がみられるときは点滴治療が有効です。患者さんの嘔吐物や水様性の下痢便には大量のノロウイルスが排出されますので新な感染源となります。家庭や職場での2次感染予防に注意が必要となります。

感染性胃腸炎(ノロウイルス)の対策
①手洗いを入念にしましょう。指先から手首までしっかり洗いましょう。
②ノロウイルスには次亜塩素酸系の消毒スプレ-が有効です。
③うがいをこまめにしましょう。
④加熱調理を基本としましょう。
⑤牡蠣など貝類の生食はひかえましょう。
⑥睡眠を十分とり体力を維持しましょう。
⑦嘔吐や下痢症状がみられたら医療機関を受診しましょう。
⑧小さな子供や高齢者が同居している家庭では家庭内感染に注意しましょう。

嘔吐物の処理について
①嘔吐物は、使い捨てマスクや手袋をつけてペ-パ-タオルで処理しましょう。
次に次亜塩素酸系の消毒スプレ-や台所用の塩素系漂白剤をうすめてふき取りましょう。
②患者さんが使用したトイレの便座やドアノブ、水道の蛇口も次亜塩素酸系の消毒スプレ-や台所用の塩素系漂白剤をうすめてふきとりましょう。
③使用物品はすべてレジ袋などに密封して可燃ごみとして廃棄しましょう。
④塩素系漂白剤は臭気が強いので換気に注意をしましょう。
⑤すべての処置が終了したら入念に手を洗い、うがいをしましょう。