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毎日ドクタ- 健康かわら版 12月号
― 冬季は呼吸器感染症に注意をしましょう! 肺炎は日本人の死亡原因の第3位!―
産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹
■風邪とインフルエンザと肺炎の違い
風邪は空気中の風邪ウイルスが呼吸によって体内に侵入して、鼻や喉の粘膜に炎症を引き起こすことによって発症します。インフルエンザは一般的な風邪より感染力が高く、高熱や全身倦怠などの激烈な症状を伴います。これに対して肺炎は空気中のウイルスや細菌が肺の奥の肺胞に侵入して炎症を引き起こします。肺炎になると胸痛、高熱、息切れ、激しいせき込み、黄色痰などがみられます。肺炎を起こすと肺胞における酸素と二酸化炭素のガス交換が妨げられるため呼吸困難が起こり、高齢者では死に至る場合もあ
ります。
■肺炎は日本人の死亡原因の第3位
冬季における風邪症候群が治り切らず肺炎に移行する要因として
①長時間残業や屋外作業による体力の消耗
②喫煙による肺機能の低下
③糖尿病などの慢性疾患による免疫力低下
④高齢による免疫力低下
などが考えられます。現在、肺炎は日本における死亡原因の第3位となっています。
■風邪、インフルエンザ、肺炎の予防・治療
風邪、インフルエンザ、肺炎の予防には
①手洗いやうがいをこまめに行う
②人ごみではマスクをつける
③睡眠を十分とり疲労回復をはかる
④バランスのよい食事を摂り、たんぱく質やビタミンを補充する
⑤部屋を加湿する
ことが大切です。
治療では、風邪症状が1週間以上治らなかった場合や38度近い発熱が見られる時には早めに内科受診をして治療を開始することが大切です。高齢者の風邪、インフルエンザ、肺炎は高熱が出ないこともありますので注意が必要です。
■インフルエンザ、肺炎球菌に対する予防接種を受けましょう
本年はインフルエンザワクチンの供給率が低下しているため、予防接種が中々受けられない状況となっています。12月になると供給率が安定してきますので是非、予防接種を受けましょう。また重症肺炎を引き起こす肺炎球菌に対して、65歳以上の方は国の補助で予防接種を行うことができます。一回予防接種を受けますと5年間有効です。ぜひ予防接種を受けましょう。