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毎日ドクタ- 健康かわら版 6月号
― ヘルペス感染症の正しい知識を ―
産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹
■ヘルペスとは
ヘルペスはウイルスの一種で単純ヘルペスⅠ型、単純ヘルペスⅡ型、帯状疱疹などに分類されます。40歳代までに約70パーセントの人が感染しています。ヘルペスはいったん感染すると微量なウイルスが顔面の三叉神経節に潜伏感染します。
■ヘルペス発症のメカニズム
私たちの体力や免疫力が健常な時は、顔面の三叉神経節に潜伏感染しているヘルペスウイルスは増殖できず悪さはしません。けれども睡眠不足、多忙、ストレス、飲みすぎ、風邪、重症疾患などで体力や免疫力が落ちているとヘルペスウイルスは増殖をはじめて瞼、鼻、唇周囲に発赤や水泡をおこします。ヘルペスはギリシャ語の這う、這い出すという意味が語源といわれています。
■ヘルペスの症状と治療
ヘルペスウイルスは増殖すると三叉神経が枝分かれしている瞼、鼻、唇周囲の皮膚粘膜に発赤や水泡をおこします。水泡の中にはヘルペスウイルスが含まれていますので破れると周囲に症状が拡大します。まれに角膜炎、視力低下、脳炎を合併することがありますので早めに皮膚科、内科を受診して局所の治療をすると同時に体力や免疫力低下の原因を調べましょう。
■帯状疱疹はヘルペスウイルス重症感染
帯状疱疹はヘルペスウイルスの一種ですが症状は重症です。胸部、脇、背中、顔面などに最初はピリピリとした痛みがおこり、次に赤い発疹がみられます。痛みは強くなり3日後あたりで水泡が帯状に出現します。早期に治療をしないと痛みの後遺症が残りますので直ちに皮膚科、内科を受診しましょう。
■紫外線でヘルペス発症増大
夏の紫外線は皮膚表面の免疫をコントロールしているランゲルハンス細胞の機能を低下させます。夏のレジャー後に疲れと日焼けによりヘルペスが発症しやすくなります。無理な計画で疲れをおこさないように注意して紫外線対策をしっかりしましょう。
■免疫力をキープしてヘルペスを予防
ヘルペスは私たちの免疫力が低下していると発症しやすくなります。ヘルペス発症の有無は免疫力のバロメーターと言えます。日頃から良質な睡眠をとる、多忙な生活をしない、ストレスを溜めない、飲みすぎない、様々な病気の早期発見、紫外線対策などを心がけていきましょう。