- トップページ
- 検診・健康お役立ち情報
- 毎日ドクター 健康かわら版 6月号
毎日ドクター 健康かわら版 6月号
― 梅雨入りから初夏の熱中症対策―
毎日ドクタ-理事長
山田正樹
■通勤電車内 室内での軽症熱中症に注意しましょう
5月下旬から6月になると徐々に気温、湿度が上昇してきて、やがて梅雨入りとなり大変不快な季節をむかえます。
私たちの体は気温の上昇にともなう体表温度の上昇を防ぐために自律神経が働いて血管を拡張させて体温を放出しようとします。
また、発汗作用(不感蒸泄:汗腺から蒸発していく汗)によりその気化熱で体表温度を調節しています。
1日中座りっぱなしの仕事の方、日頃あまり運動をされない方は全身の血流が停滞傾向となり代謝が悪くなっています。
そのため自律神経による血管拡張作用がスム-ズに働かなくなり、放熱反応も低下して体表温度が下がらなくなります。
加えて湿度の上昇により発汗しにくい状況となっているため、満員の通勤電車や風通しの悪い室内では体表温度が下がらず軽症の熱中症をおこしやすくなります。
予防として座りっぱなしで仕事をせず立ったり座ったり会社内でよく動くこと、普段から運動をして汗をかきやすいからだにしておくこと、シャワ-だけではなく短時間で良いので湯船につかって全身に水圧を加えることなどがおすすめです。
■熱中症の症状
軽症:高温、多湿の不快な環境により血管の反射が不良となり、立ちくらみ、めまい、ほてり、頭痛がおきます。
発汗作用の低下により体表温度の上昇がみられます。
中等症:水分摂取不足により脱水症状が加わると筋力低下、頻脈、血圧低下、けいれん、失神などがみられます。
中等症は点滴治療が必要です。
重症:脳の視床下部にある体温調節中枢が機能しなくなり、40度以上の発熱、昏睡、ショック症状をおこします。
重症は救急車による救急搬送が必要となります。
■熱中症対策
①気温の上昇や湿度の上昇に徐々に慣れていくために毎日20分程歩きましょう。ストレッチや軽めのダンベルなども有効です。発汗をおこなう汗腺の代謝が良くなると汗の出やすい体になり、気化熱により体表温度が下がり快適に過ごせるようになります。
②口渇を感じる前に、こまめな水分補給をしましょう。
③団扇や扇子で体表温度を下げましょう。
④帽子や日傘で直射日光を避けましょう。
⑤首回りや脇の通気性の良い服装をしましょう。
⑤大量の発汗時はスポ-ツドリンクを利用しましょう。適度な塩分も有効です。
⑥エアコン、扇風機などを積極的に上手に活用しましょう。