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毎日ドクター 健康かわら版 7月号
― 食中毒を予防しましょう ―
産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹
■食中毒発生の状況
高温多湿の夏は食中毒が増大します。食中毒は毎年2000件以上発生しており患者数は3万人~5万人にのぼります。
細菌性、ウイルス性、自然毒性などに分類されますが夏は細菌性食中毒が急増します。発生場所は飲食店(60%)、家庭(15%)、ホテル・旅館(7%)、仕出し屋(6%)、学校(2%)、その他(10%)となっています。
■代表的な細菌性食中毒の特徴
①カンピロバクタ-菌
細菌性食中毒の中で最も多く発生しています。牛、豚、鳥などの腸管に感染しています。低温、湿潤の環境下で長生きしますので冷蔵庫の過信は禁物です。加熱調理には弱い菌です。潜伏期が2日~5日と長いので原因となる食べ物の特定は中々困難です。腹痛、下痢、発熱、頭痛がみられます。
②腸管出血性大腸菌 O群‐157
牛の腸に生息している細菌です。加熱調理を原則として肉、内臓の生食はやめましょう。感染すると2日前後で激しい腹痛、下痢、血便がおこります。重症型の食中毒となり乳幼児や高齢者では死亡例もみられます。
③サルモネラ菌
鶏卵、鶏肉から発生します。家庭での食品保存、消費期限を守ることが大切です。
④腸炎ビブリオ
夏季の魚介類から発生します。調理器具から他の食品に感染することもありますので魚用、肉用、野菜用と調理器具を使い分けることも有効です。
⑤黄色ブドウ球菌
おにぎり、寿司、おつくりなどから発生します。調理人の指に付着している細菌が食品に移行して食品表面で増殖、毒素を産生します。潜伏期間は1時間~5時間と短く、耐熱性毒素のため加熱調理では予防できません。調理人の徹底した手洗いが大切です。
■食中毒予防の3原則
①食中毒菌を付けない!
入念な手洗い、調理器具の洗浄と使い分けが大切。漂白除菌を徹底すること。
②食中毒菌を増やさない!
食材購入後は速やかに帰宅して冷蔵庫に収納。また冷蔵庫に詰め込み過ぎないこと。
③食中毒菌をやっつける!
加熱調理を基本。肉、内臓の生食はやめる。ワサビ、梅干などの薬味を上手に活用。
■医療機関で診察を
腹痛、下痢、嘔吐、発熱などがみられたら直ちに医療機関を受診しましょう!!!